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outdoorGardening

It All Begins With the Soil
すべては土から始まる
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It All Begins With the Soil - すべては土から始まる

 幼い頃、父親に連れられてドジョウやウナギを田んぼ脇の小川へよく捕りにいったものです。今もまだあの小川にドジョウたちは住んでいるのでしょうか?
 19世紀の中頃から終わりにかけて、化学者たちが古代からの知恵をひるがえすかのように、農夫やガーデナーの悩みを解決する策を生み出しました。ほどこすのも簡単、植物を早く育てるのにも役立つ無機肥料と、粉やスプレーで魔法のように害虫や菌類を退治してくれる強力な化学駆除剤でした。19世紀終わり頃、これらは農夫やガーデナーにとってシャベルや鎌と同じくらい欠かせないものとなりました。

 ここで、農夫やガーデナー、そして化学者自身にも欠けていたのは、未来を予測する力でした。スプレーした化学薬品を自分や子供が吸い込んで病気になってしまうことや、絶滅しかけていた鳥や魚やキツネたちをもう取り戻せないことや、腐葉土を与えられない土壌がちりのように不毛になり、いずれは吹き飛ばされてしまうことに気づかなかったのです。自然との関係を理解しようとしなかったために、このような結果になることを見逃してしまったのです。
 しかし、数少ない理想家のガーデナーや科学者たちは、どこかにもっといい方法があると信じていました。
 フランス、パリ郊外の商業ガーデナーたちは馬ふんを用いた堆肥で野菜の大収穫に成功しました。スイスではオーストリア生まれの哲学者ルドルフ・シュタイナーが「生物力学的農法」を推し進めました。インドではイギリスの農耕学者、アルバート・ハワード卿が害虫が寄り付かない作物を作るには化学肥料ではなく、健康で有機物の土が不可欠であることを理解するようになりました。1940年代に「オーガニック・ガーデニング」誌を設立したJ・I ロデール。「沈黙の春」を著し、殺虫剤の被害の恐ろしさを訴えた生物学者レイチェル・カーソン。1960年代にアメリカ西海岸でアラン・チャドウィックはフランスの集約農法と、生物力学的農法を統合し、新しい世代のガーデナーたちに強く影響を与えました。
 環境破壊のニュースを頻繁に耳にするようになり、必然的に有機栽培は注目されるようになりました。それでは有機栽培のテクニックを幾つか紹介していきたいと思います。
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